2012年4月30日月曜日

1985年 ソ連と日本

今回は「今日のソ連邦」ではなく、「ソ連と日本 善隣と相互協力」というパンフレットの紹介です。1985年にノーボスチ通信社が作ったもので、カラーページを多用した美しい冊子です。
こちらも「つくば科学万博」の会場で配っていたようですが、内容的にあまり堂々と配ることはできなかったようで・・・・。
というのも、この中に登場するソ連の最高指導者が「コンスタンチン・チェルネンコ」なのです。

ながらく続いたブレジネフ政権のもと、ソ連は軍事力こそ増強させますが、経済の停滞は深刻なものでした。そこで当時、KGB議長だったユーリー・アンドロポフが改革派のリーダーとして就任するものの、持病が悪化して、わずか1年3ヶ月の任期でこの世を去ってしまいます。


その次に登場したのがチェルネンコでした。
改革派であるスタブロポリの連中が、ドニエプル・マフィアと陰口を叩く、ブレジネフ系列の人物で、保守派としては巻き返しのチャンスだったはずです。
しかし、この人、「改革にブレーキこそかけなかったが、ペダルに足を乗せられないほど衰えた老人」と評される有り様。任期はたったの11ヶ月で、1年もちませんでした。

死去したのは1985年3月10日ですから、「ソ連と日本」の発行時期ともろに重なります。いまさらページの差し替えはできず、回収もできなかったようです。
それにしても、この肖像写真・・・・・・もうちょっとマシなのはなかったのか? いや、そもそも写真なのか、レタッチ過剰なのか、イラストなのか、それすら、よくわかりません。ちなみにこの人、社会主義労働英雄を3度も授章してるのに金星勲章はひとつもないあたり、微妙なポジションがなんとなく想像できたり。


とはいうものの、パンフレット自体は紙質もよく、印刷もきれいです。記事は政治・経済・芸術・文化、民間交流など日本との関係をメインにすえていますが、割愛。
以下、目についたグラビアを、とりとめもなく紹介してみます。







北極海での資源開発。氷に閉ざされた採掘リグってのは不思議な眺めです。







高い所はイヤ。一方、シベリアの金の採掘現場の写真というのも珍しいです。シベリア→金→マガダン→ラーゲリって連想は・・・自然ですよねぇ?









広大なレナ河。行き来してる船の大きさから見ても、かなり大きな河川であることがわかります。核物理学研究所の円形の部屋は、粒子加速器かなにかの設備と関係があるのでしょうか。なかなかSFチックでカッコいいです。






ピオネールのサマーキャンプ! 
ショートパンツにツインテールの女の子がポイント高いです! 
というか浴衣の着付け、誰かもう少しなんとかしてあげられなかったのかなぁ。
日本人の女の子がかわいそうですぞ。




とりあえず、今回はこんなところで。
でわでわ~。

2012年4月16日月曜日

映画・映画・映画

いろんなタイミングが重なって、ここ一ヶ月に連続して3本も映画を見てます。
『プリキュア・オールスターズ New Stage』、『ストライクウィッチーズ劇場版』、『BATTLE SHIP』というラインナップ。
気づいたら「女の子」→「女の子+ミリタリー」→「ミリタリー」という、なんとも頭の悪い3連コンボを決めていました。

プリキュアは、最近ではすっかり恒例の年2作体制の1本で、オールスター総出演のお祭り映画。今回は過去のプリキュアたちの一部にセリフがまったくないという、オタ的にはちょっとした物議をかもした作品ですが、28人もいればやむを得ないかなという感じもあります。ストーリー的にも、ちょっとホラー風味があったりして、今までとはちがう作風。
でも熱い展開は毎回、安心して楽しめます。自宅をブルーレイ再生環境にしたのもプリキュアのためだったし。今回もソフトが出たら買わなくては。

ストライクウィッチーズは「パンツじゃないから恥ずかしくないもん」。これまた熱い展開で、ミリオタ的には思わずのけぞってしまうようなサプライズも。劇場でのわたしは、さぞかし気持ち悪い笑顔を浮かべていたにちがいありません。
ちなみに見ていて「おっ!」と思ったのは、主人公の宮藤芳佳が「金鵄勲章」を貰っていたこと。ほんの一瞬しか映りませんが、リボンの形から察するに功五級か? これってすごいことですよ。あの年から、もう終身年金がもらえますよ。えーと…1943年だとすると350円か? 公立学校の教員の初任給が55円という時代に!

そして最後はBATTLE SHIP。シナリオのバカっぷりは、3本の中で一番です。いかにもハリウッド的な、アメリカンテイスト満載の「よいこの怪獣映画」です。つーか、敵メカがほとんどネウロイで、いつウィッチたちが登場するのかと思ってしまいましたわ。
劇中には日本の海上自衛隊も登場し、浅野忠信扮するナガタ艦長が結構な見せ場をもらっています。そしてラストには、こちらも勲章のシーンが。地球の危機を救った英雄たちに「Navy Cross」(海軍殊勲十字章)やら「Silver Star」(シルバースター勲章)が授与され、ナガタ艦長にも「旭日中綬章」が授与されたことがわかります。
でも、なんとなくケチくさいなあ…とも思ったり。せっかく宇宙人から地球守ったんだから、出し惜しみせずに、ここは「Medal of Honor」(名誉勲章)とか、「桐花大綬章」を授与したってバチは当たらないんじゃなかろーか。

それ以外の個人的なポイントとしては、映画に登場する海上自衛隊の記章類を、知人がすべて手配していたという点でしょうか。もちろん仕事として引き受けたわけですが、無償提供していればハリウッド映画にクレジットされてたかも?
まぁ、他にもツッコミどころ満載のバカ映画ですので、ポップコーン片手に気楽に見るのがよいでしょう。
でわでわ~。

2012年4月1日日曜日

今日のソ連邦 第7号 1985年4月1日 その3

つくば科学万博特集号のネタも今回で最後です。
よく見たらオリジナルは4月1日の発行日。ちょうど日付も合ってますし、せっかくなので華やかなカラーページを紹介しようと思います。
てなわけでソ連料理の特集。別にソ連の料理がエイプリルフール並の冗談という意味ではないですよ。

ソ連というと、現在でも深刻なモノ不足や食料不足、それにともなう長い行列が語り種になっていますが、食料調達の方法は他にもありました。多くの市民が郊外にダーチャ(別荘)を構え、小さいながらを畑を作って自前で野菜を育ててたのです。

さらに日本ではほとんど触れられたことがないシステムに、パヨーク(特配)があります。これは企業や工場が特定のコルホーズなどと契約し、毎月、申し込んだ食品を届けてくれるというもの。日本だと生協のようなものでしょうか(つーか、生協がパヨークにヒントを得たのだと思いますが)。

特配のトラックが到着すると、みんな仕事そっちのけで(おいおい)、楽しく分け合ったそうです。ちなみに数ある特配でも質・量ともに最高レベルは、言うまでもなくクレムリン(クレムリョフスキー・パヨーク)です。

決して失業のない労働者の天国。それがソ連なワケですが、それでも優良企業や人気の企業というのがありまして、そうした判断基準のひとつに、この特配システムの充実度がありました。逆にいうと企業としても「うちの特配は他とはちがうぜ」というのがセールスポイントで、優秀な人材を集めることにもつながったわけです。もちろん年金生活者など、特配を利用できない人たちがいたのも事実です。さらにソ連崩壊前後には、この特配システムそのものも機能不全を起こし、ソ連社会全体を大混乱に陥れたのでした。

いい加減、本題に入りましょう。
万博ソ連館のレストランの宣伝も兼ねたであろう、ソ連料理の紹介ページです。むふ~。

さて、市民レベルならなんとか知恵と工夫で食事にありつけるソ連ですが、観光客となると話は別です。今のロシアは外食産業もすさまじい勢いで発展してますが、ソ連時代のレストランはモスクワでも少なく、一部の有名店を除くとガイドブックにも載っていません。しかも看板の類が見当たらないのがほとんど。注意して見るとハガキぐらいの大きさの木の板にそっけなく「КАФЕ(カフェ)」とか書かれたものが壁にくっついてるだけ、というありさまです。

もちろんそれなりにおいしいのですが、ツアーじゃない個人旅行者がホテル指定の食事時間をうっかり外してしまうと大変なのでした。まぁ、公園とかではシャシリク(羊肉の串焼き)なんかを売ってるので、それを食べればいいのですが。

そんな中、特筆すべきが政府機関や軍の食堂でした。何度か食事に招かれたことがありますが、そのレベルはかなりのもので、日本の一流ホテルのメインダイニングにしても通用するおいしさでした。日本では、まだまだカジュアルな扱いのロシア料理ですが、もっと高く評価されてもよいのではと思います。

最後はロシアの民芸品からタルサという刺繍の紹介ページ。なんかモデルさんのポーズがぎこちなくて、わざとらして可愛らしいというか、微笑ましいというか。他にもキルギスの絨毯とかダゲスタンの銀細工、ティムコボ(キーロフ州)の素朴な粘土人形などが紹介されておりました。

でわでわ~。