というわけで、前回に告知したミンダナオ会さまの艦船模型の展示会に行ってきました。戦艦武蔵も見つかったことだし、写真点数多めでお送りします(でも武蔵の作例は撮り損ねた)。また、お知らせもありますので最後まで是非お付き合いのほどを。
てなわけで最初の画像ですが、毎年恒例のこの会、東京・中央区にある「アートはるみ」という多目的スペースで行われています。入口はこんな感じです。
さて、まずは一枚のイラストをご覧ください。
往年の艦船模型マニアなら一度は見ている1/700 ウォーターライン・シリーズのラインナップです。静岡県に拠点をおく模型会社が合同で立ち上げた企画で、タミヤ、アオシマ、ハセガワ、フジミによる静岡4社共同なんてのが記憶にあります。フジミは現在、組合から脱退していますが、ピットロードとか新しい模型会社も企画に準拠したキットを出していますので、現在の方が大きな広がりを見せている世界です。
ミンダナオ会の今回の野望は、このイラストを実際に再現してみせること。
これがそのジオラマ。かなり大きくてカメラに収まりませんでした。
艦船の配置がパンフレットに準拠しているのがお分かりいただけるでしょうか?
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もちろん恒例の物量攻勢は今回も健在。「日本のふねぶね」というテーマなので、
帝国海軍に限らず古今東西のフネが並んでいます。
織田信長の鉄甲船なんてのもありましたよ。 |
とりあえず駆逐艦「吹雪」。沢山ある艦艇から何故、これを選んで撮影したのか?
・・・いや別に他意はありません。
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次は駆逐艦「島風」。といっても1920年に就役した先代です(何故、断る?)。
艦首がえぐれたような形で魚雷発射管が配置されているのが面白いです。
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加賀(左)と赤城(右)。竣工時の多段空母です。
2基の主砲に挟まれた航空甲板の真下に艦橋があります。
カッコいいけどやっぱりムチャな設計って気がします。 |
精密に作り込まれた戦艦。奥が「扶桑」だったかな?
ここまで仕上げるのでどれぐらいの日数がかかるのでしょう。
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同じくこれまた精密に作られた重巡「摩耶」・・・で合ってると思う。
模型の撮影に気を取られてネームプレートをついつい忘れてしまうのです。
まぁ、今なら一発で当てられる人が大勢いそうですが。
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こちらは重巡「高雄」・・・で、いいんだよな?
子供の頃、このように真正面や真後ろに撃てない砲配置はムダだと思っていました。でも模型で見ると、上部構造物が斜め後方への射撃も意識した設計になっているとわかります。真正面と真後ろに撃てないだけで、現実にカバーできる範囲はかなり広かったのですね。
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重雷装艦というたまらない響きを持つ軽巡「北上」。こういう血迷った設計は大好きです。ソ連=ロシアのスラヴァ級ミサイル巡洋艦はこいつの直系の子孫なのかもしれません。 |
空母「海鷹」。「うみたか」ではなく「かいよう」と読みます。
海面の展示台に乗せるとまた趣が変わって見えます。
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飛行甲板・エレベーター部のアップ。ほんとよくできてます。
しょぼいコンデジですが、マクロ機能で迫ってみました。
壊れやすいパーツがびっしりなので、触れないよう気を使いました。
うーむ、そろそろ新しいカメラが欲しい・・・。
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艦これブームがなければ、まずキット化されなかっただろうと、
ミンダナオ会の人が真顔でおっしゃっておりました。
これがあると大和の艤装中の有名な写真を再現できるのですよね。 |
2等水雷艇から水雷艇「第六七号型」。違いがよくわかりません。
左側にチラリと写っているのは同じく2等水雷艇の水雷艇「第二二号型」の
これまた後期型。こちらも違いがよくわかりません。 こんなのが26隻も並んでいましたが、やっぱり違いがよくわかりません。 |
航空戦艦「伊勢」・・・たぶん。
いろいろな角度から撮りましたが、真正面からのを。
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同じく航空戦艦「伊勢」。こちらは1/350スケール。これでもかと作り込まれています。
これぐらいの完成度なら床の間に置いて飾っても自慢できそうです。 でも掃除が大変そうだからガラスケースに入れないと。 |
斜め前方からも。あちらこちらに人影が見えます。 |
艦橋部のアップ。こちらにも人が。 ズラリと並んでいるのは双眼鏡です。 |
七つの海を支配したともっぱらの評判の大日本帝国陸軍の「あきつ丸」。
上陸用舟艇と航空機運用能力を持つ先進的な設計・・・にも関わらず
どこかキワモノ的な空気が漂うのは中の人たちのせいでしょうか。 |
当時を憶えている人がいるわけないのは当たり前ですが、
あまり触れられない第一次世界大戦。日本は戦勝国でした(一応)。
日本海軍に「地中海艦隊」があったというのは、ちょっと面白い。 |
こんな
巡洋艦「畝傍」。武蔵は見つかったけど、こっちは無理だろうなぁ。
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遭難つながりで(ヲイ)トルコ海軍のエルトゥールル号。
湾岸戦争との関連で何度かテレビに取り上げられているので、 日本でもかなり有名になっているのではないでしょうか。 |
どうせなら、さらに時代を遡って黒船来航。日本に開国を迫ったペリーは
サスケハナに乗艦していました。これが1853年のこと。 この時はまだチョンマゲに刀だった日本人が、88年後に航空母艦4隻も作って 真珠湾を火の海にするとか・・・想像できるわけありませんわ。 |
こちらも実物つながりで。病院船「氷川丸」です。
現在は優雅な客船の趣を残しつつ横浜に係留されています。
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こんな悪趣味(笑)な展示もありました。
右から転覆した空母「天城」。同じく転覆した軽巡「大淀」。
奥にいるのはビキニ環礁に送られる戦艦「長門」の最後の姿です。
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今回は水上艦艇のみで潜水艦は取り上げられていないのですが、
こちらはゲスト出展。イ-400のカットモデルです。
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やっと現代にたどりついた・・・。
海上自衛隊です。のっぺりしたイージス艦が増えましたが
数が揃うとそれなりの迫力があります。 |
こんなキットもあるんですねぇ。とりあえずフネのキットはすべてチェックして
誰かしらが購入・組み立てるというのがミンダナオ会のすごいところ。
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海洋資源つながりで(?)。戦後の食料不足を救った軍艦改造の捕鯨船です。
ちゃんと「マルハ」の大漁旗が。艦尾に乗っているのはマッコウクジラかな?
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大型捕鯨船も。
まな板・・・じゃない甲板に乗っているのはシロナガスクジラかしらん?
子供の頃に見た「ふねの図鑑」には捕鯨船が出てましたが
船尾にスロープがある独特の構造でしたね。
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海洋権益と言えば、忘れちゃいけない海上保安庁。
巡視船の模型がこんなに並ぶ展示会って、まず無いと思います。 |
ミンダナオ会といったらジオラマも。今回はすっきりとした展示です。
でも実際、海上自衛隊の基地周辺はこざっぱりしてる印象があります。
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護衛艦「ひゅうが」。エレベーターの中も丁寧に作り込まれています。
ヘリのローターが展開したままなのはご愛嬌。
しかし、ヘリも数が揃うと飛行甲板が手狭に感じますな。 |
こちらは太平洋戦争中の日本海軍の軍港の様子。といっても勇ましい戦闘艦艇の姿は見当たりません。
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ゲームラボの方もよろしく。
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監督の片渕須直氏とはアニメ版ブラックラグーンでお会いし、微力ながらお仕事をちょこっと手伝わせていただきました。監督はその後、「マイマイ新子と千年の魔法」を発表するなど精力的に活動されています。この作品についても以前から構想を伺っておりました。凝り性のカントクのことですから、綿密なリサーチを繰り返しているわけで、その細部へのこだわりを部外者ながらも感じておりました。しかし、痛快な戦闘シーンがあるわけでもない作品を完成させるというのは大変なようです。
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念のため申し上げますと、片渕カントクからは何の指示もお願いも受けておりません。
津久田重吾が自分のサイトで勝手にリンクを張っているだけですので、
一緒に応援しようと思ってもらえる人が、ひとりでもいらっしゃれば嬉しいです。
わたし自身、見たくてしょうがないので、よろしくお願いいたします。
(あと一回ぐらい告知繰り返すな、こりゃ)
今年は何やらバタバタと忙しくなりそうです。
次からはいつもの「昨日のソ連邦」に戻ります。
でわでわ~。