2012年3月3日土曜日

今日のソ連邦 第7号 1985年4月1日 その1

右上:炭素質素材を医学(器官や組織の移植)に
利用する可能性を示すディスプレイ。
左下:ソ連館のシンボルマーク。
右上:原子力研究、原子力平和利用におけるソ連
の科学者たちの成果を物語るディスプレイ。(原子
の独特の模型になっている)
右中:炭素質素材の利用範囲の広さを示す「未来の
都市」の模型。
右下:バイカル湖のユニークな模型。 
とりあえず古い順からと始めたら、1985年のバックナンバーは3冊しかなかったことが判明。あらら・・・。と、いうわけで、ちょいとさかのぼります。なんと「つくば科学万博」の特集号。コスモ星丸なんてマスコットがいましたっけ。

さて、こういう大規模な国際イベントに関わると、ソ連大使館も俄然はりきるようです。
これがきっかけで新しい読者を増やせば、外交的にもプラスというものです。ですから、この号ではソ連の基本情報のおさらいみたいな記事も目につきます。そういう意味では、創刊号のような雰囲気なのでしょうか。今回の表紙は、会場に作られたパビリオンの展示物です。

実際のソ連館のパンフレットも持っているのですが、書庫からの発掘に成功したら、いずれご紹介したいと思います。そういえば1970年の大阪万博のソ連館のパンフレットもなぜか家にあったっけ。

で、肝心の中身ですが、今回はなかなか見どころが多いので、何回かに分けてご紹介したいと思います。

まずはソ連館のレイアウトを示した模型。
おそらくソ連の外務省内部での検討用に使われたものだと思います。日本だったら実物に忠実な模型をキチンと作りそうなものですが、こちらはアクリルを多用した抽象的なイメージモデルです。
細かいところは現場ですり合わせるということなのかもしれませんが、なんとなくセンスがいいなあと思ったり。


内容はといいますと、やはり宇宙と原子力、自然科学や医学などがメイン。まぁ「科学万博」と銘打っているイベントですから、ソ連の得意分野をぶつけてくるのはある意味当然です。
てなわけで、まずは原子力から。

見開きでドーンと見せつけてくれちゃってます。
本文にある黒鉛沸騰チャンネル型というのは、言うまでもなくチェルノブイリでも採用されていた原子炉のこと。注目すべきは文中で触れられている「長所」で、運転したまま燃料の入れ換えができるとある点です。
ウラン燃料を原子炉で燃やすとプルトニウムができます。
これは当然、核兵器の重要な原料なわけでして、このタイプの原子炉は電力供給をストップさせることなく、核兵器の材料を生産できる、まさにソ連のエネルギー政策と軍事戦略にぴったりの原子炉だったわけですな。

でも、ごめん。とりあえず本文は長いので割愛。
ソ連の原発がいかに安全で信頼性が高いのかが述べられています、とだけコメントしておくことにしましょう。ここでは写真のみで。

透明素材の防護服はソ連では一般的で、ソ連版ランボーと呼ばれた「デタッチドミッション」にも似たタイプのものが登場します。

ずらりとならんだ線量計はペンのようにポケットや襟に差しておきます。自分も軍用のを持ってますが、ここに紹介されてるものとは違うなあ。なんか、こっちの方が高級そう。

興味深いは、音で原子炉の状態を把握してしまうベテランの人。グツグツと沸騰する音が聞こえるのでしょうけど、なにがわかるのかしら?

あと水質検査室の奇妙なガラス瓶は試料の入ったフラスコでしょうか? 検査室といいつつ、機器類が一切写ってないのがミソです。これでフラスコまでタダの花瓶だったら吹きます。
職員が女性ばかりなのは、いかにもソ連です。白いピロトカは病院とか食品工場の写真でも見かけます。妙におしゃれなレースのカーテンも、検査室という言葉に不釣り合いで面白いです。

次回もこの号の続きをやります。
でわでわ~。



0 件のコメント:

コメントを投稿