
というわけで今回は「今日のソ連邦 創刊30周年記念号」です。冒頭には外務大臣のシェワルナゼ氏と駐日ソ連大使のソロビヨフ氏からのお祝いのメッセージが寄せられています。
この広報誌が創刊された30年前というと1958年。これは日ソ国交正常化の2年後です。月2回刊行なので、この号で通巻700号。このブログで紹介しているのはB5サイズですが、当初はA4サイズでした。この古い時代のパックナンバーも若干ありますので、そのうち取り上げる予定です。

最初は1958~1968の「その1」。
スポーツや音楽、演劇、映画などが紹介されています。ボンダルチューク監督の「戦争と平和」は現代ではありえないスケールのエキストラで有名。

この記事で見るまで知らなかったのはソ連水兵の遭難事件。アメリカの空母に救助されたそうですが、フルシチョフ時代で良かったなぁ。


ック音楽好きなら知らぬ者がいないリヒテルが登場。なんか浮かない顔してますが、お疲れなんでしょうねぇ。
左下の見つめ合うふたりは作曲家のアラム・ハチャトゥリアン(左)と演出巻のユーリー・グリゴロヴィチ。ハチャトゥリアンはグルジア生まれのアルメニア人で「剣の舞」というダイナミックな楽曲で有名です。ちなみに、ふたりとも芸術面での功績で「レーニン賞」を授与されたとありますが、これは「Ленинская премия」という科学や芸術面での功績に限定された褒賞のことで「Орден Ленина(レーニン勲章)」とは別モノです。

左ページにはコンコルドのそっくりさん「Tu-144」のデビューのニュース。フランス人は「コンコルドの設計図を盗みやがった」とブツブツ言いますが、写真の巨大風洞実験などを見ればわかるように(盗んだとしても)ソ連の航空界もやるべきことはやっていました。でも、この機体はフランスのル・ブールジュ航空ショーで事故を起こし、墜落してしまいます。

さて、さくさくと進めます。


1958~1969の「その2」で紹介したフョードロフ博士は、その治療法に懐疑的な意見もぶつけられてきた人ですが、ここに至り、ようやく世界的な評価を得て、レーニン賞と社会主義労働英雄の称号を手に入れます。

最後はゴルバチョフ書記長の核兵器廃絶プログラムと世界平和へのアプローチの記事。アフガンから撤退し、化学兵器を解体し、短距離核ミサイル全廃条約をアメリカと締結するなど旧世代の負の遺産を清算するのに必死でした。しかし、その後は皆さんご存じの通り。そして、今日のソ連邦が40周年を迎えることもありませんでした。やっぱりちょっと消えるには惜しい国だったような気が・・・(妄言)

最後はソ連の宇宙開発の歴史について。
4月12日はソ連の「宇宙飛行デー」となっており、宇宙関連の催しなどが開かれます。
記事ではガガーリンの娘ガーリャ・ガガーリナの近況について触れられています。

その他の記事では欧州宇宙機関と協力して小惑星を探査するベスタ計画や火星に無人観測機を着陸させるフォボス計画についての予定や見通しが出ています。
フォボス計画は2機の探査機を連続して打ち上げ、火星に向かわせるという壮大なものでしたが、2機ともあと一歩の所で通信が途絶。失敗に終わっています。
最後は世界各国のブースターロケットのイラスト。ほぼ同スケールで描かれています。名前は番号順で
「1・A1スプートニク(ソ)」「2・バンガード(米)」「3・ジュノー1(米)」「4・ジュノー2(米)」「5・ソー・アジーナ(米)」「6・A1ルナ(ソ)」「7・ソー・エーブル・スター(米)」「8・Aウォストーク(ソ)」「9・マーキュリー・レッドストーン(米)」「10・アトラス・アジーナ・レインジャー(米)」「11・A2eマルス・ベネーラ(ソ)」「12・B1コスモス(ソ)」「13・マーキュリー・アトラス(米)」「14・A2ウォスホード(ソ)」「15・C1コスモス(ソ)」「16・ジェミニ・タイタン(米)」「17・ディアマンA(仏)」「18・デルタE(米)」「19・D1プロトン(ソ)」「20・タイタン3C(米)「21・サターン5アポロ(米)」「22・タイタン3B・アジーナ(米)」「23・サターン1V(米)」「24・エネルギア(ソ)」「25・A2ソユーズ(ソ)」「26・D1eゾンドー(ソ)」「27・ディアマンB(仏)」「28・ラムダ4S5(日)」「29・CSL長征1(中)」「30・ブラックアロー(英)」「31・タイタン3D(米)」「32・サリュート1(ソ)」「33・ミュー4S(日)」「34・ヨーロッパ2(欧)」「35・スカウト(米)」「36・サターン5・スカイラブ」「37・デルタ2914(米)」「38・タイタン3E・セントール(米)」「39・ミュー3C(日)」「40・デルタ3914(米)」「41・ディアマンBP4(仏)」「42・N1(日)」「43・CSL2FB1(中)」「44・ミュー3H(日)」「45・アトラス・セントール(米)」「46・SLV3(印)」「47・アリアン(欧)」「48・スペースシャトル(米)」「49・タイタン34D(米)「50・デルタ3920(米)」「51・アトラスE(米)」
うわー。書き写すだけでしんどいぞー。しかし、意外と知らないロケットがいっぱいあるもんだな・・・。
今回はこんなところでひとまずお茶を濁します。
でわでわ~。
しかし、ここで終わらない。
前回のブログでもご紹介いたしました。「【この世界の片隅に 制作支援】の続報であります。なんと目標額を記録的なスピードで達成。大勢の人たちがこの作品に期待していることが、改めて裏付けられました。わたくしも微力ながら協力させていただきました。しかし、幸い(?)まだまだ〆切には時間がございます。もし興味が沸いたら、是非リンク先のサイトをご覧になってください。
以上、私的な応援でございました。
ゲームラボ(三才ブックス)でも鋭意連載中です。こちらもよろしく~。
初めまして
返信削除30年前の4月末、つくば万博に行って本日のソ連邦を見ました。とても懐かしいです。良質なコンテンツなので継続切望です。
ようこそおいでくださいました。お返事遅れまして申し訳ありません。
返信削除本ブログの目に余る更新の遅さには平身低頭するしかございませんが、
それでも当分、やめるつもりはありませんので、
今後も長い眼で温かく見守って頂ければ幸いでございます。