2013年6月23日日曜日

今日のソ連邦 第4号 1987年2月15日


すっかり間が空いてしまいました。
2ヶ月放置とか、さすがにひどいですね。すみません。
いろいろ仕事のことで悩んでいたりしてました。別に鬱っぽい意味じゃなくて、単純にむずかしくて、ややこしくて、作業量が多いという意味での悩みです。つらいのに我慢して・・・とかじゃないのでご心配なく。各方面に不義理を働いているのは事実なんですが。
というわけで久しぶりの更新です。

表紙はモルダヴィア共和国のグロゼシティ村での一コマ。ドブゼウ家では旦那さんのフォマ(92才)と奥さんのエフロシニア(87才)の結婚70周年をお祝いしてます。


この号の日付を見ればわかりますが、ふたりともソ連が成立する以前に生まれた人です。サンクトペテルブルグで革命が起きてる最中、17才のエフロシニアはフォマと祝言をあげたのだそうで、まぁ、この頃のモルダヴィアはまだそれほどてんやわんやということでもなかったのでしょう。

エフロシニアは8人の子供を生んだといいますから、あと2人でソ連邦母性英雄でした。でも8人だって立派ですよね。彼女には母性栄光勲章2級が授与されてるはずです。子供、孫、曾孫、玄孫の総数は88人。こりゃ素直にすごいです。

見開きカラーはロシアの典型的な農村。女の子はオシャレしてますが、男はわりと普段着ばかりですね。御夫婦の後ろに民族衣装を着た楽団がいます。刺繍の上着にちょっと変わった帽子。モルダヴィアの民族衣装も面白いです。

ちなみに左端にいる勲章ジャラジャラの背広の人は一番目立つ場所に対独戦勝メダルを付けてます。右の襟には大学卒業バッジかな? その下には親衛部隊章を付けてます。
表紙のおじさんはまた別人。こちらは右襟に大祖国戦争勲章2級を付けてるのがわかります。付け方や位置が適当なのはご愛嬌。軍服じゃないから別にいいのです。
さて、今回は別の特集も組まれています。ソ連当局が大好きな統計です。日本の読者からのリクエストに応えて、関係各所から送られてきたデータに基づいてるそうですが、数字の信憑性についてはあえてコメントしません。まぁ、普通の超大国なら特に不思議ではない数字なんですが。
次の特集は警察。ベラルーシ共和国のミンスクを管轄するミリツィアです。最近、ロシアではポリツィアという残念な名前に改称されてしまいました。早く戻れ~。
で、こちらは交通警察。日本ではひとつの警察署の中に交通課とか生活安全課といった部署があるだけですが、ソ連では国家自動車監督局(ГАИ=ガイー)という専門の組織があります。
ところで、ソ連=ロシアの警察組織に対する市民の評判はとにかく最悪なのですが、ガイーはその中でも際立ってます。

わざとドライバーを呼び止めて些細な難癖をつけては罰金名目で賄賂をせびるからで、政府の腐敗防止キャンペーンなんかでも、しょっちゅう槍玉にあげられます。
もちろんマジメで優秀な警官もいるはずですが、この記事に出てくる人もそうだと思いたいですね。ちなみに事故現場の写真がこんな風に掲載されるのは珍しいことで、当時はこんな一面もペレストロイカと結びつけられていました。
まさかヤラセじゃないよなあ。

最後は共和国の紹介コーナーにあったベラルーシ共和国のカラーグラビア。記事ではベロルシア(白いロシア)となっていますが、これはロシア語表記に基づくもので、実際、ベラルーシ語とロシア語は似ているようでちがいます。
どちらも東スラブ民族という共通の祖先から分化したのですが、ロシア、ウクライナ、ベラルーシの区別がキチンとつけば、ソ連・ロシアマニアの初段です。(嘘)

今回の記事によるとベラルーシ人は白くまっすぐな髪、灰色の瞳を持つ色白な人々。ロシア人に比べると顔の輪郭が穏やかで、やはり美人の産地として知られています。性格は寡黙で内気。勤勉で忍耐強く、運命の変転にもよく耐えます。なんか、さらっと恐いこと書いてあるな。
ちなみに、この地方の特産品は亜麻で、民族衣裳やテーブルクロスなどの調度品に白がよく使われることもベラルーシの呼び名のルーツとしてあげる学者もいるんだとか。

日本人から見るとわずかな違いなようでも、確固たる民族的アイデンティティがあるあたり、大陸国だなあと思います。

今回はこんなところで。
でわでわ~。

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