2012年2月18日土曜日

艦船模型の展示会

艦船模型の展示会に誘われたので見に行きました。
「ミンダナオ会」というサークルの主催で、同団体のメンバーでもある軍事評論家の
斎木伸生さんからのお誘いです。
今回は駆逐艦の今昔を模型で振り返るという趣向で、展示総数はなんと900隻!
そのほとんどすべてが駆逐艦で、古今東西、あらゆる艦が一堂に会してます。
並べるだけで8時間もかかったとか。
そりゃそうだ。

まずは大日本帝国海軍。
同型艦でも細部が微妙にちがうので
すべての艦が揃っています。
海上自衛隊の護衛艦。
戦後の日本もなんだかんだで造りまくってたんだと実感。
ソ連/ロシアの艦隊。
ソ連には駆逐艦というカテゴリーはなく、
大型対潜艦と呼ばれます。
展示のメインは1/700ですが、もちろん大型模型もあります。
1/144のアメリカの駆逐艦。さすがに見応えがあります。
でもキットの出来自体はあまり良くないそうで
ここまで仕上げるのは大変とのこと。
駆逐艦じゃないけど、ソ連の戦術航空巡洋艦「バクー」
ミサイルが凶悪です。
現在はインドが買い取り、魔改造中ですが、
予算&納期オーバーで絶賛炎上中。
こんなジオラマ風の展示も。
とにかくディティールがすごいです。聞くところによると、
製作された方は現役の脳外科医だそうで。
細かい作業はお手の物というか、この程度は普通らしい。
しかも患者とちがって模型は失敗しても死なない!
NHKドラマ「坂の上の雲」で活躍した戦艦三笠。
ギャラリーの注目も集まってました。
日本海海戦の日露艦艇が勢ぞろいしてました。
戦艦といっても、現代の駆逐艦より小さく見えます。
つか、今の駆逐艦がデカくなりすぎたんですが。
今回、驚きの展示物が。
なんと戦艦レトヴィサンの主砲の図面です。
他にも三笠の砲身の設計図などもありました。
正真正銘のホンモノです。
紙ではなく絹の布地に描かれています。
経年変化による伸縮が紙より少なく、狂わないそうで。








































































































てなわけで、軽い気持ちで顔を出す程度にしていたのに、思いのほか長居してしまいました。
自分も昔はプラモ好きで、戦車といわず船といわず、ガンプラといわず、なんでも夢中で作っていたものです。忙しいとか、スペースが無いとか、そんな風に作らない理由をつけるようになったのは、いつからだったかなー。

ところで、この際だからもう一つ白状しますが、
今回の主催団体である「ミンダナオ会」。
お名前は以前から存じあげていたのですが、まったく何の根拠もない思い込みから、
わたし、「太平洋戦争の遺骨収集団体」のことだと思っていました。

だって、いかにもありそうな名前だと思ったんだもん・・・。
いや、申し訳ありません・・・・。
ははははは。

では。

2012年2月12日日曜日

今日のソ連邦 第19号 1985年10月1日

言い忘れましたが「今日のソ連邦」は隔週刊です。毎回、必ず入手できたわけでもないので飛び飛びになるかと思いますが、とりあえず今回は続き。第12回世界青年学生祭という国際イベントが大々的に特集されています。実は1985年は国連が定めた「国際青年年」なのですが、当然のことながら、日本ではまずニュースになりませんでした。一応、本文を見てみると開催は7月27日から8月3日まで。世界157ヶ国と西ベルリンから(つーか、なんでわざわざ西ベルリンを別扱い?)2万人以上の若者が集い、交流の輪を広げたのだとか。
この中には当然、日本人もいて、インタビュー記事が出ていますが、肩書は「自治労」とか「社青同」とか、「総評青年部」の面々。職業が教師という人も多いです。
で、中身はというと、もっぱらスポーツとかシンポジウムとかパネルディスカッションとか。変わったところでは「帝国主義弾劾法廷」なんての開かれており、アメリカの暴挙が次々と白日のもとにさらされたのであります。
面白いのはこのイベント、そんな当のアメリカ人も參加している点です、どんな人たちなのか、そしてモスクワでどういう扱いを受けたのか興味があります。とはいうものの、目次を見てもらえばわかりますが、この手の「会議」についての記事は、今日のソ連邦ではやたらとありまして、いちいち取り上げてたらキリがありません。

てなわけで、ミリタリーネタ「大祖国戦争中の文化人」です。
ソ連に限らず戦争は国家のメディアも総動員されるわけで、文化人もそこから逃れることはできません。前線の慰問、国民の鼓舞、そして敵の糾弾といったことが行われたわけです。
なかでもソ連では「詩人」が特別な地位を占めておりました。記事では戦時下の最初の冬にプラウダに載った詩が掲載されています。

待っててくれ、おれは戻る。
すべての死の面当てに、 
おれを待たなかった奴、 
そいつには "あの人、運がよかったのね"と言わせてやる。
待たなかった奴には分かるまい。
戦火の真っ只中で俺を救ったのは、
待っててくれるおまえだったということを。

「おれを待っててくれ」 
~コンスタンチン・シーモノフ~

この詩は戦線からの何百万もの兵士の手紙に書き写されるようになり、さらにはこの言葉が、戦死から身を守る魔よけのようなものになったのだとか。
で、この記事には多くの写真も掲載されています。



どれもキャプション通りですが、ミリオタ風にコメントすると左の写真、1943年なので兵士はルバシカ型軍服を着ていますが、特派員の方はギムナスチョルカのままでピロトカには帽章もありません。でも胸に赤星勲章つけてます。
中央の写真はいかにも戦時中の女優の慰問といったところ。これまた右端の女性兵士は胸に戦傷章をつけているようです。
右端の写真はゴツいカメラに目が行きますが、首を覆う白い布は包帯でしょうか。このロマン・カルメンという人、当時の有名な映画監督だそうです。記事では他にもヘルメットにホースを持って消火活動にあたるショスタコーヴィチや病院を慰問したピエロ、焼けただれたベルリンの国会議事堂で演奏する楽団などがありました。

さて、その他の記事から面白そうなもの、というとやはりこれを取り上げないわけにはいきません。自分がこの記事をネタにするのは、実は2回目なのですが、とりあえず「うわー」と思っていただければ。
今日のソ連邦ではおかしなメカ系の記事がちらほら出るのですが、なぜか写真はないことが多いのです。
前回の「歩行するコンバイン」も文字だけの記事です。
「山の斜面での農作業用に開発されたもので、さまざまな農機具を取り付けることができる。前部は関節のついた一対の脚があり、運転席をはさんだ後方はタイヤ。脚具は地面の状況を把握しながら、互いの動きを監視しあい、どんな状況でも車体を水平に保つ。運転席には「前」「右」「左」の3つのボタンしかなく、エンジンをかけてボタンを押せば、すべてを自動で行う」とのこと。

では、また。



2012年2月2日木曜日

今日のソ連邦 第18号 1985年9月15日


みなさん、こんにちは。まずは記念すべき第1回です。
もっと古いのもあるのですが、とりあえず80年代を中心にしたバックナンバーからはじめようかと。
といっても、さすがに中身すべてをスキャンして公開とかはアレですし(つーか、今日のソ連邦の自炊とか変態でもやらん)、そんな暇もヤル気もないので、とりあえず表紙と目次のみ。これでも十分めんどくせぇ。

で、表紙はいきなりアントノフAN-124。ルスランという愛称もこの時に知りました。 これから順次ご紹介していくとわかるかと思いますが、今日のソ連邦で、こうしたメカ系が表紙になるのは珍しい部類です。まして輸送機とはいえ、どちらかといえば軍用機の部類。よほど自慢だったのではないかと思います。事実、今でも活躍してますからね。設計局はウクライナ国籍になっちゃったけど。
ちなみにオレグ・アントノフはこの前年の1984に逝去。その後を継いだのはピョートル・バラブエフです。記事では記者がバラブエフ氏に一言インタビュー。

「この機に満足しているか?」
「テストパイロットは、機がおとなしく思うとおりに動いてくれてよいと言ってるし、この機の恩恵を受ける僻遠の土地の開発者たちもきっと満足してくれるだろう」

このもってまわった言い方はソ連時代特有のものですな。
しかし、この号でわたしが本当に興味をもったのは「外国航路で働く人々」という記事でした。貨物船クラスノドン号の乗組員へのインタビューが中心で、記者は船乗りという職業にある種のロマンチシズムを感じていたようです。
でもって、それに対するボリス・ルイブキン船長の答え

「ロマンねぇ。まぁ、結構なことさ。それはそうだが、われわれは14昼夜もかけて時化つづきの大海原を渡ってきたばかりなんだ。
~中略~
われわれ船乗りの毎日は楽でない仕事でいっぱいなんだ。この世の中をロマンチックに見るなんて、それはその人の性格で職業のせいじゃないと思うよ」

ミもフタもないというか、船長、お疲れで機嫌が悪いようです。
他にも若い四等航海士やクラスノドン号が進水して以来の先任機関士などが、それぞれの思いを語っております。この辺、いちいち書いていたらキリがないので残念ながら割愛。しかしソ連の商船隊の制服とかが規定とちがっていたりして、今から見ると写真の情報量もなかなか面白いです。

その他、
・ノーボスチ通信特派員報告
デタントは生きている(ヘルシンキ)」。「米警察の人種差別主義(ニューヨーク)」。
・短信アラカルト
新しい水中翼船」「エルミタージュのシュメール文書修復」「歩行するコンバイン」

などの記事がありました。
今後、どんな風に紹介していこうか、まだまだ手さぐりですが、とりあえずよろしくです。